前編では、アートとビジネス、そして私の仕事の1つである医師との類似性について、bisignisseという語源やアーティストのモノの見方などから考察してみました。 今回はその話を踏まえて、アートを所有するコレクターを対象にしたリサーチを材料にしながら、日本人とアート、あるいはこの記事を読んでいるビジネスパーソンとアートの関係性について考えてみたいと思います。
和佐野 有紀
「アート・イン・ビジネス最前線」の連載第5・6回では、医師であり美術回路(※)のメンバーの1人でもある和佐野有紀氏による、「アートと私たちの関係性」をテーマにした寄稿をお届けします。
「作品よりも作家に触れることで、アートの面白さを感じてもらえるのではないか」という仮説の下、あるプロジェクトを始めました。それが作家と話して、作品に出合えるアートテリングツアー、「RUNDA」です。アートに出合うきっかけ、そのすべてに少しずつ触れることができるツアーとして実践しています。今回はこの取り組みの紹介を通して、「アートを所有すること」の意味について、改めて考えてみたいと思います。
上原 拓真
ビジネスにおけるアートの効果はどのように検証することができるのか、これまでの学術研究を概観しつつ、われわれが実施した定量調査による効果検証の取り組みをご紹介します。
大西 浩志
アートの内在化とは、アートパワー(アーティストの源泉である問題提起力、想像力、実践力、共創力の四つ)を自分の心の中に内在化することです。アートに触れる体験を通じてアートパワーが自分の血肉になることで、自分で物事を考えられるようになり、自分で行動ができるようになる状態のことを示しています。
「アートはビジネスに効くのか?」というテーマについて考えていきます。シリーズの初回は、「アート・イン・ビジネス」の基本的な考え方について解説いたします。
若林 宏保