電通総研では、2015年1月に「A HAPPY NEW VISION '15」という冊子を作り、15人の日本在住外国人にメッセージを「書き初め」で書いていただきました。この冊子の副編集長である南太郎氏、クリエーティブディレクターである倉成英俊氏の2人が、アドバイザーとして参加した『Discover Japan』統括編集長の高橋俊宏氏とともに制作を振り返り、2020年に向けての日本のあり方や、それぞれのメッセージから見えてくるものについて話していただきました。
電通年賀会で約4000人に配布された「A HAPPY NEW VISION '15」
南:A HAPPY NEW VISION '15は、全国5拠点で開催された電通年賀会で配布した小冊子であり、電通報では2015年1月から2月上旬にかけて毎日1人ずつメッセージを公開しました。1月に電通総研にジャパン・スタディーズ・グループという新チームが設立されたのを機に、2020年およびその先を考える際のヒント集になればという思いで、日本で活躍されている外国人の方にメッセージをいただきました。
倉成:高橋さんとは、IMF世銀総会のプロデュースをしたときに『別冊Discover Japan DESIGN vol.2』で取り上げていただいたときに初めてお会いして、その後、有田焼のプロジェクトなどでもご一緒させていただいているご縁もあり、今回アドバイザーをお願いしました。書き初めは読み物として余白が多いので、間に、電通総研らしくデータなど密な読み物を挟んだ方のがよいのではないかというアドバイスをいただきました。そこで、社内にあったジャパンブランディング調査などのデータから、自分で見ても意外だった発見をグラフィック化して載せています。
倉成:A HAPPY NEW VISION '15では、「幅」と「検索できないこと」を目標にしました。人選は、国籍、年齢、有名無名を含めて幅を持たせ、コピーライターがインタビューに行って、オリジナルの言葉を掘り出しているので、すべて検索しても出てこない言葉です。たとえば、冊子が配布された時点では、「しょうゆ一本からはじめる。」や「列島万華鏡」といった言葉は検索で出てこなかったはずで、それぞれの人の頭の中にあるものを掘り出すようにしました。表面的な言葉ではなく、その人ならではの言葉が出てくるまで質問し、検索できない言葉にすることにこだわりました。
2000年電通入社、クリエーティブ局に配属以降、広告のスキルを拡大応用し、各社新規事業部とのプロジェクトから、APEC JAPAN 2010や東京モーターショー2011の総合プロデュース、佐賀県有田焼創業400年事業など、さまざまなジャンルのプロジェクトをリード。2014年個人的B面を持った社員たちと電通Bチームをスタート。2015年アクティブラーニングこんなのどうだろう研究所設立。2020年7月1日株式会社Creative Project Baseを創業。