そのとき、熊本応援ソング「Sweet Home Kumamoto」で「スイートホーム、くまもと〜」って歌っている最中に、この空は、ふるさとの熊本にも通じているんだなぁ、熊本の人、どうしているかなという気持ちになって、即興で「スイートホーム、頑張れ、くまもと」って歌いました。思わず「頑張れ」っていう言葉が出てきた。地球のどこにいても空は同じでしょう、ずっとつながっていますからね。
モンゴル「13世紀村」のステージ。大草原の中で14曲を熱唱した。
それと今年の7月には初めて「FUJI ROCK FESTIVAL」(フジロック)に出演したんですよ。かつてニューヨークでジャズを歌ったときはもう「ハーイ!」って感じだったのと同じように、フジロックでは「元気〜!」って。面白いですねえ。イントロで自分の性格が全部変わるんです。絵を描きますので、シチュエーションが映像になって頭に浮かび、ストーリーが頭の中で始まる。それをこの声で代弁しているんですね。だから、どこへ行っても、私はその映像を見ている立場だから全然問題ないんです。これは銀座のクラブで歌っていた時代の経験が大きいと思います。それまでは、自分の歌がどういう歌か分からなくてね。あるとき、女心を歌っていたら、お姉さんたちが泣きながら聴いているんですよ。あれっ?今の歌い方なのかなと思って。また違う歌でも同じ経験をして、あっ、これが歌心かと思いました。こうして培ったものですね、八代演歌というのは。