
価格施策や品質向上といった、従来型の手法では商品の差別化が難しくなっている今、新たな収益モデルの在り方を探るようなワードが目立っています。ゲーム市場を中心にテクノロジーを活用し、商品販売後も継続的に収益を上げる「リカーリング」モデルが注目されている他、コンテンツをつくる過程やバックグラウンドを販売する「プロセスエコノミー」も認知度を広げつつあります。本記事では、日々話題になるニュースの中から、今注目されている5つのトレンドワードをご紹介。今後のビジネスやマーケティングのヒントとしてお役立てください。
価値観の多様化から生まれた、Z世代の新トレンド「ソバーキュリアス」
収益安定に効果的?継続的に利益が得られるビジネスモデルとは「リカーリング」
近年、サブスクリプションサービスが広まりましたが、同じようなビジネスモデルとして「リカーリング」も注目されています。売り切りではなく、継続的に収益を得る手法で、プリンターメーカーによる本体の販売後のインク、トナーの交換・補充サービスなどが代表例。サブスクリプションが定額制であるのに対し、使用量に応じて料金が変動する従量課金制であることが特徴です。最近はSaaSサービスで採用されたり、オンラインゲームでも、新機能やキャラクターの追加購入を促す仕組みが取り入れられたりしています。その大きなメリットは、収益の安定化。自社ビジネスとの相性を見極めた上で、導入を検討してみてはいかがでしょうか。
差別化が難しい時代の「売り方」のヒント「プロセスエコノミー」
関連本が出版され話題になった「プロセスエコノミー」。商品やサービスという完成品だけでなく、制作のプロセスをもパッケージ化して収益を得るビジネスモデルです。自社サイトやSNSなどでメイキングコンテンツを提供する手法が増えている他、近年注目を集めるアイドルグループのオーディション番組などもその一例。世界的に人気の男性アイドルグループも、練習や作曲の様子を公開し、成長する姿を見せることで多くのファンを獲得しました。人々の共感を集めることがカギとなるプロセスエコノミーは、クラウドファンディングなど新たなマネタイズ手法とも好相性。商品の品質というアウトプットだけでは差別化が困難な時代に有効でしょう。
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ミスを予防し、被害を抑える。日常業務のリスクヘッジに「フールプルーフ/フェイルセーフ」
ヒューマンエラーの防止策を検討している企業も多い中で、重要性を増しているのが「フールプルーフ」という考え方。元は安全工学の用語で、事故を予防するための対処法を指します。例えばふたを閉めないと稼働しない洗濯機や、ブレーキを踏まないとエンジンがかからない自動車など。似た言葉に「フェイルセーフ」がありますが、こちらはエラーが起きてもその影響を最小化する対処です。閉まる途中で人を感知するとドアが開くエレベーターなどが該当します。こうした安全への備えはビジネスにおいても重要。小さなミスが大きな損失につながることもあります。安全に関わることはもちろん、日常業務においても応用できる考え方ではないでしょうか。
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他者との「協働」を、オンライン上で実現するツール「リアルタイムコラボレーション」
ウィズコロナの時代を迎え、顔を合わせることなく業務を行う働き方が浸透してきました。これを促進しているのが「リアルタイムコラボレーション」ツール。チャットなどのコミュニケーション機能に加え、ファイル・タスクなどの情報共有ができるツール、複数人が同時に作業できる共同編集プラットフォームも含まれます。カギになるのは、オンライン上でも対面と遜色ない快適さで「協働」できるかどうか。生産性向上のためにも、ビジネスで新しいツールを開発・導入する際に重要となるでしょう。最近は、リアルタイムで体験を共有するサービスの人気も高く、このようなニーズを踏まえた検討が、今後のビジネスに欠かせない視点となりそうです。
今、話題を集めているワードを5つご紹介しました。消費傾向が「モノ」から「コト」へと移行する中で、「プロセスエコノミー」や「リアルタイムコラボレーション」といったキーワードが注目されているのは示唆的です。商品そのものだけではなく、そこから得られる体験や、商品を形づくるストーリーに人々が価値を感じていることの現れとも言えるでしょう。
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