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公開日: 2025/08/26

今話題のマーケティングトレンドワード5:2025年8月

 

デジタルテクノロジーの進化が加速する現代。AIは日常生活でますます身近な存在となっている一方、情報やコンテンツが次々と生み出され、情報過多に疲弊する人も少なくないでしょう。こうした中で、AIを活用した新たなプログラミング手法「バイブコーディング」や、情報をそぎ落としたシンプルなWebデザインの潮流「ブルータリズム」など、今の時代を象徴するキーワードが注目を集めています。こうしたトレンドに目を向けることで、テクノロジーが社会や私たちの暮らしにもたらす変化について考えるヒントになるはずです。この記事では、今、注目すべきトレンドワードを5つ厳選してご紹介します。


 

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AIと自然言語で対話しながらコードを生成。ソフトウェア開発の新潮流「バイブコーディング

 

ソフトウェア開発の分野で新たなバズワードとなっているのが「バイブコーディング」です。これは著名なAI研究者が提唱したもので、AIを活用した新しいコーディング手法を指します。開発者が「こんな機能が欲しい」と自然言語で指示を出すと、AIが自動的にコードを生成。それを人の目で確認・修正しながら完成させていくアプローチです。手作業でコードを記述し、何度もデバッグを繰り返していた従来の手法と比べ、作業スピードの向上や業務効率化が図れる点に大きなメリットがあります。実際、あるソフトウェア企業では、既に約20%のコードが「バイブコーディング」によって生成されているといいます。ただし、高度なシステム構築には不向きな場面があるほか、AIの出力を過信せず、開発者がしっかりと品質管理を行うことも不可欠です。こうした特性を理解した上で、プログラミングにおけるAI活用のヒントとして着目しましょう。

近年のWebページは多彩な要素が盛り込まれたデザインが主流ですが、そうした“情報過多”な状態を見直す動きとして注目されているのが「ブルータリズム」です。もともとは建築分野の用語で、打ちっ放しのコンクリートのように装飾を排し、素材の質感や構造に重きを置いたスタイルを指します。この考え方がWebデザインにも応用され、シンプルさを極めたインターフェースが増えています。「ブルータリズム」に明確な定義はありませんが、白や黒の背景、左右非対称のレイアウト、素朴な書体などの特徴が見られます。「分かりやすさ」や「使いやすさ」を重視する場面では不向きな場合もありますが、情報過多で洗練されたデザインが溢れる現代へのアンチテーゼとして登場し、情報の「本質」を強調するために使われます。ブランドの世界観を際立たせたり、印象的なキャンペーンサイトを生み出したりする新たな手法としてWebデザインの選択肢に加えてみてはいかがでしょうか。

 


 

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中国からの新移民「潤日(ルンリィー)」。富裕層の移住が日本にもたらすものとは 

 

近年、中国の富裕層による日本への移住が増えており、彼らは「潤日(ルンリィー)」と呼ばれています。「潤」は本来“もうける”を意味する漢字ですが、英語の“run”と発音が似ていることから、“移住する”という意味でも使われるようになりました。以前は中国からアメリカへの移住者「潤美(ルンメイ)」が主流でしたが、ビザ制度や教育・医療環境の変化を背景に、日本が新たな移住先として注目されています。「潤日」の多くは自営業などで成功した富裕層であり、高級住宅への需要や教育への関心の高さから、不動産市場や国際教育の分野に新たな活力をもたらすと期待されています。一方で、不動産投資や受験戦争の激化、移住者側の文化的孤立といった課題もあり、共生社会実現に向けた視点も求められます。「潤日」をテーマにした書籍が出版され、関心が高まる中、日本社会に大きなインパクトをもたらすこの現象をより多角的な視点で考えていく必要があるでしょう。

企業経営においてサステナブルな取り組みの重要性が高まる中、情報開示に関する新たな枠組み「SSBJ基準」の策定が進んでいます。これは国内企業に向けたサステナビリティ情報の開示の在り方を示した基準で、国際的なサステナビリティ基準との整合性を保ちつつ、日本独自の要素も加えて構成されています。開示が求められるのは「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標及び目標」の4項目で、この中にはカーボンニュートラル実現に関わる温室効果ガスの排出量なども含まれます。2027年3月期から時価総額3兆円以上の企業から適用が始まり、最終的には全プライム上場企業が対象となる予定。今後は「SSBJ基準」への対応が企業の信頼性の指標となる可能性もあり、こうした状況を商機と見たコンサルティング会社などによるセミナーなども実施されるようになってきました。今後に備え、自社の取り組み状況を見直す機会にしてみてはいかがでしょうか。

 


 

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戦跡や被災地を訪ねる新しい観光のかたち「ダークツーリズム

 

グリーンツーリズムやコンテンツツーリズムなど、多様な観光スタイルが広がる中で、近年注目されているのが「ダークツーリズム」です。これは、戦争の痕跡や災害の記憶を今に伝える場所を訪ね、その歴史的背景や意味を学ぶことを目的とした観光を指します。広島の原爆ドームや、かつてアル・カポネが収監されていたサンフランシスコ湾のアルカトラズ島などが代表例で、近年では東日本大震災の被災地も旅の目的地の1つとなっています。こうした場所は人々の痛みや苦しみの記憶を伴うため、訪問先の背景や地域住民・関係者の感情に配慮した受け入れ、情報発信が必要であり、オーバーツーリズムへの対策も欠かせません。それでもなお、「ダークツーリズム」は、地域の再生や教育的価値の面で大きな意義を持ちます。単なる観光にとどまらず、学びを深めながら、地域の魅力を再発見する旅のかたちとして、注目が高まっています。


 

今回は、AIやWebなどのデジタル領域に加え、移住や観光といったテーマを含む「潤日」や「ダークツーリズム」にも注目しました。コロナ禍を経て人々の移動が再び活発になる中、移住や観光を通じて地域経済をどう循環させるかが大きな課題となっています。これらのキーワードは、そうした動きに新たな視点をもたらすヒントにもなるでしょう。テクノロジーやライフスタイルの変化が加速する今、社会状況に即したコンテンツやサービスをどのように設計すべきか。そんなお悩みをお持ちの方は、ぜひ私たちにご相談ください。

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