求める人財獲得に向け、インターンシップ開発で押さえるべきポイント
電通の専門コンサルティングチーム「採用ブランディングエキスパート」では、クライアント企業の人財採用におけるブランディングの支援に取り組んでいます。
本記事では、電通の採用ブランディングエキスパートのメンバーが、自社(電通)のブランディングを目的として、企画・開発を行ったインターンシップについて、その開発の背景や実際の内容を紹介しながら、インターンシップ開発におけるポイントを解説します。
電通の対学生ブランディングを目的に、電通マーケティングインターンシップ2025を初開催!
2025年2月、電通における対学生ブランディングを目的として、電通のマーケティング部門に特化した、「電通マーケティングインターンシップ2025」を初開催しました。本インターンシップのコンセプト開発や企画、設計は、電通若者研究部「ワカモン」のメンバーの協力のもと、「採用ブランディングエキスパート」のメンバーが手掛けました。
本インターンシップには、計1668件の応募がありました。また、参加学生にアンケートを行ったところ、インターンシップの満足度は非常に高く、「電通ならではのマーケティング」に対する理解度にも大きな変化が見られました。
インターンシップとは、共感を形作る“雇用主ブランド体験”である
昨今の学生にとって、インターンシップは単なる就業体験の場ではなく、企業と学生を結ぶ“最初の雇用主ブランドとの接点”の場としての機能を果たしています。“雇用主ブランド”とは、企業としての単純なブランド価値ではなく、「雇用主」である企業の立場にフォーカスしながら、働く場として魅力的な企業を目指した価値づくりのことを指しています。インターンシップ開発のうえで、企業の姿勢や考え方、仕事の本質に触れる場として設計する必要性が増しているのです。
今回の「電通マーケティングインターンシップ2025」においても、職種別にインターンシップを実施することで、“学生自身が興味のある仕事を体験”でき、かつ“現場で働く社員とのインタラクションが積極的にできる”機会を提供しました。そうすることで、さらなる職種理解の促進や企業ならではのカルチャー理解にも結び付き、共感を持って働く自分をイメージしてもらうことにつなげています。
本連載の第一回で紹介した通り、近年の学生はインターンシップの応募企業を検討するうえで、「自分のやりたい仕事(職種)ができる」ことを重視する傾向があります。そのため、学生の志望する職種に特化した“雇用主ブランド体験”により、企業への共感を生み出すことの重要性は増していると考えられます。
電通が考える、「インターンシップ開発の3つのポイント」
① 就活ジャーニーを意識したインターン開発
われわれ採用ブランディングエキスパートでは、オリジナルの採用戦略メソッドとして、下記のような「就活ジャーニーマップ」を提唱しており、就職活動における各フェーズを体系化しています。特に「○○で働くことに共感する」「○○で働く自分を想像する」といったフェーズを捉えることは、インターンシップ開発のうえで非常に重要です。

例えば、今回のインターンシップでは、応募者全員が参加可能なウェビナーとして、「電通マーケティングインターンシップ DAY0(ゼロ)」を実施し、電通のマーケティングの世界観や働き方に触れてもらう一日を設けました。
現役プランナー陣が登壇するパネルディスカッションをメインとしながら、あえて社員同士のインタラクティブかつカジュアルな対話を見せていくことで、「○○で働くことに共感する」のフェーズ強化に注力しました。
② 学生が“主人公”になれる体験設計
書類選考の通過者には「人がおもしろく見えてくる 電通マーケティング1DAYスクール」を実施しました。マーケティング戦略に関する講義だけでなく、マーケティング課題に関する個人ワークも行い、実際のプランニングワークを体感してもらいました。
個人ワークではより実践的なマーケティングを体験。最後には一人一人が全員の前でプレゼンを行うことで、現場に近い内容を提供する構成にしました。このような取り組みにより、受け身ではなく“自分ごと化”しやすいコンテンツにすることができました。また、課題のテーマを身近な内容にしつつ、「○○で働く自分を想像する」ことが可能なプログラム開発を目指しました。

③ 電通ならではのクリエイティブと共感づくり
今回のインターンシップ開発においては、実際にマーケティング部門で活躍するプランナーが企画・設計に携わることで、マーケティングやブランディングの視点から開発しています。
さらに、電通ならではのマーケティングの要素である「“人”に焦点を当て、マーケティングを通じた“人間理解”のおもしろさを訴求する」というコンセプトをもとに、インターンシップの名称やキービジュアルも開発しました。そうすることで、エントリー~実施まで、インターンシップ全体のコンセプトを一貫させ、電通のマーケティングならではのエッセンスをより体感してもらえるような設計にすることができました。
インターンシップは企業と学生が互いに未来を考える場所
全応募学生を対象に行った「DAY0」のウェビナーでは、“共感を軸にしたキャリア探索の場”を提供。また、「1DAYスクール」は、実践的なプランニング体験を通じた“自己発見ができる場”として機能させることができました。
電通としては、“自社の未来の共創パートナー”としての学生と最初の関係構築をするコンタクトポイントとして、インターンシップを形作ることに成功しました。インターンシップは単なる採用における一つの施策ではなく、企業と学生が未来を共に考える出会いの場です。学生の目線に立って、共感を軸にインターンシップを設計していくことが、企業の未来を変えることにつながっていくと考えています。
「採用ブランディングエキスパート」とは
人財採用におけるブランディングを支援する、電通内の専門コンサルティングチーム。
https://dentsu-recruit-branding-expert.com

電通 採用ブランディングエキスパート 事務局(西井、岩邊)
Email:recruit-branding-expert@dentsu.co.jp
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著者

西井 美保子
株式会社 電通
第6マーケティング局
シニア・ブランディング・ディレクター
数々の企業への経営・事業コンサルティングを行いながら、「電通若者研究部」(https://dentsu-wakamon.com)に所属。著書に、「パギャル消費~女子の7割が隠し持つ『ギャルマインド』研究~」(日経BP)、「なぜ君たちは就活になるとみんな同じようなことばかりしゃべりだすのか。」(共著、宣伝会議)。D&AD、Red Dot Design Award、One show、キッズデザイン賞など受賞。NPO法人エンカレッジ顧問など社外活動にも従事。


