いい写真にするには、撮影現場の雰囲気づくりが大切だと思っています。例えば、仕事仲間のモデルさんを立てないといけないんです。ただ握手したりとか、そういうことだけじゃない。長い時間一緒にいると元気にさせないといけないし、笑ってもらわないといけないからコミュニケーションをとるんですよ。仲良くなることですね。仲良くなると外から見て、「あ、ナンパしてる」と思われる。違うんですよ。同じ撮影チームのメンバーで休暇でハワイに行って、家を借りて、4日間ほど一緒に過ごすということも何回かしています。チームのみんなが仲良かったら、そこに他のモデルさんが入っても撮影がしやすい。カメラマンも気持ちよく撮影できる。結果として出来上がりが全く違ってきます。現場の雰囲気は読者に伝わるんです。
あと、LEONの表紙の撮影をするとき、前もって決めたテーマはあるけれど、現場で話すうちに最初のテーマからちょっと変わってしまうこともあります。私もそれに合わせて演技しなければならない。これは演技ですよ。本当に映画みたい。ディレクターはいるし、ディレクターと仲のいい役者もいる、プロデューサーもいるし、という感じですね。一枚の写真は一つの映画ですね。毎回こうしたやり方で表紙を作っている雑誌は珍しいと思います。
LEONがスタートしたころから見ると、制服っぽかった日本のサラリーマンの人の服装もずいぶん変わった。おしゃれになりましたよね。男の人は、年取っても「かっこいい」と言われたい。“おっさん”になっても「イケてる」と思われたい。だから、私は「あなたはまだ終わってないよ」と伝えたい。そういうことなんです。
男性ライフスタイル誌『LEON』(主婦と生活社)創刊号(2001年11月号)⇒最新号(15年7月号)
2014年3月、「連続して最も多く月刊誌の表紙を飾った数(男性モデル)」(151回)として、ギネスワールドレコードに認定された。