都道府県や市町村、さらには一般市民が中心となった動画プロジェクトがメディアやSNSで話題となっている。
それぞれの事例には、地元の抱える課題と、地元が誇る資産をマッチングさせた工夫が見てとれる。ここでは、滋賀県と三重県桑名市の事例を紹介する。
~脱悪役・石田三成が滋賀県の魅力をアピール~
おそらく世界初! 武将CMで地域活性化
琵琶湖を中心に据え、豊かな自然や数々の歴史遺産を持つ滋賀県。その多くの魅力を発信するため、2016年3月からPR動画が展開された。しかしその内容は、滋賀県自体のアピールではなく、同地出身である戦国武将・石田三成のCMだった。
第1弾は3月5日にウェブ上で公開。約40秒の動画では、「配下にするなら石田三成」「忠義心No.1宣言」など、三成の魅力を独特の演出で表現した。また、3月27日に公開された第2弾では、6本(+おまけ2本)の動画を詰め合わせた2分13秒の動画を「総集編」として発信。三成の知られざる人柄や功績を、いろいろなCMのパロディーを駆使しつつ、多面的に伝える構成となった。さらに、ポータルサイト「石田三成×滋賀県」を特設し、三成の人物像や他の武将との相関図、滋賀県各地に伝わる三成のエピソードをサイト内で紹介。力作コラム「秒速で1億円稼ぐ武将石田三成」も必見だ。
公開された動画は、第1弾が130万回以上、第2弾が60万回以上の視聴数を記録。20以上のテレビ番組にも取り上げられた。ウェブ発信が主となっているものの、実際のテレビCMとしても地元局・びわ湖放送でオンエアされた。
制作を担当した電通関西支社の藤井亮氏は「地域PR動画として、三成の生い立ちや生涯を見せても失敗するだろうなと思いました。それも大河ドラマでクオリティーの高いものをやっている真っ最中に。そこで、三成自身を広告対象として宣伝するCMはどうか。武将が出演者として出てくるCMは数あれど、武将そのものを広告するCMであれば、今まで見たことのないものができると考えました」と振り返る。