2月5日、ABC東京フォーラム2015(主催:日本ABC協会)が開催され、電通MC(メディアコンテンツ)プランニング局の前田淳子氏が「独自のアイデア。確かな実行力。~編集長と寄り添ってつくるあたらしいソリューションのかたち~」と題した講演を行った。
前田氏が所属する電通MCプランニング局は、新聞、雑誌、ラジオ、テレビ、OOH、デジタルなどの各メディアに精通したプロが、担当顧客ごとにチームを組んでソリューションをカスタマイズし提供している。今回は各雑誌編集長とそれぞれの案件担当者がタッグを組んで成功させた商品開発やイベントプロデュースにスポットを当て、新しいソリューションのかたちを紹介した。
講演の内容をダイジェストでお届けする。
■雑誌編集長のチカラ
「読者のインサイトを知り尽くし、感性や嗜好のツボを押さえながら、日々読者の共感を作り出している雑誌編集長は、いわば時代をけん引する『マーケター』であり『クリエーター』であり『プロデューサー』だ。ターゲットの今の気持ちを誰よりも知り尽くすインサイト力を持ち、誌面として世に送り出すコンテンツ・クリエーション力も卓越している」 そう語る前田氏は多くの編集長たちをパートナーとし、クライアントの要望に合わせた広告やイベントを展開、成功させてきた。
■トヨタ自動車「Passo」×『Hanako』
紹介した1つ目の事例は、トヨタ自動車「Passo」×女性向け情報誌『Hanako』。コンパクトカーPassoのリニューアルをインパクトを持って世の中に伝えることが課題となった。リニューアルの特長は、燃費を向上したエンジン。広告コミュニケーションには、エンジンをクルマの心臓部と見立て、「ハートを磨け」のメッセージのもとに、アニメ「ドラえもん」のキャラクター「しずかちゃん」の登用が決まっていた。結婚相手に優等生の「出木杉くん」ではなく、落ちこぼれの「のび太」を選ぶしずかちゃん。「自分に大切なものとそうでないものを見分け選択する」女性と読み解き、しずかちゃんの生き方を通してPassoリニューアルをコミュニケーションする。パートナーには、『Hanako』の情報で女性の行動を後押ししムーブメントを起こしてきた戸高良彦編集長を迎えた。