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みなさま、こんにちは。アメリカでは2月3日に大人気のスポーツイベント「スーパーボウル」が開催されました。大画面テレビを持ってると友達がこの日だけ急に増えるという、国民的ビール&ポップコーン大量消費行事です。今年はドームの停電騒ぎが話題になりましたけど、ここで流れるテレビCMも、みんなに注目されています。

毎年、各企業が全力でCMを投入してきますが、今年で言えば半分くらいがソーシャルメディア連動になっていました。Twitterのハッシュタグを提示して、CMやブランドについてみんなで語ってもらうのは基本として、事前にCMの結末をみんなに選ばせたり、CMに登場する馬の名前を募集したり、みんなのInstagram写真投稿にリアルタイムで企業が応えるイベントをやったり…。

さて、広告やソーシャルメディアでみんなを巻き込む。僕が担当している「デジタル・新領域クリエーティブ」の仕事のひとつです。この仕事、何か1つ作って納品して完了、じゃなくて、ユーザーとの長くてきめ細かいやりとりを作るので、企画と実施には、どうしても手間と時間がかかります。

僕が今いるオフィスは、ソーシャルメディアに強い360iというエージェンシーの一角にありますが、彼らもやっぱり忙しい。よく意外だと言われますが、みんな深夜残業や休日出勤もします。そんな中でも、いつも遅くまでいる「スーパー残業野郎」だと思われているのが…僕です。うぐ、恥ずかしい!

いや、日本との電話会議があったりするから、よく深夜に会社にいるだけなのに、僕が帰ろうとすると「ヤバい、Yasuが帰るってことはもうそんな時間かよ!」なんてジョークで言われる。

スーパー残業野郎がよく目にする、みんな帰っちゃった夜のオフィス。 ぽつーん。まだあわてるような時間じゃない。
スーパー残業野郎がよく目にする、みんな帰っちゃった夜のオフィス。 ぽつーん。まだあわてるような時間じゃない。
 

こちらのみんなは、忙しくても、無駄な残業をしないです。仕事が残っていても、友達と会うから帰る。エクササイズに行くから帰る。先輩が残っていようと自分は帰る。自分を作る時間も大事。そして、やるときはやる。日本と違って、残業の悲壮感が無い気がします。残業の先にはハッピーがある。同じ仕事のメンバーが飲みに行っちゃっても、別に悔しくない。自分が出す結果のためだから。

日本だと、その先にハッピーが無いからなのか、団体行動の理不尽さがあるのか、仕事と評価が直結しにくいからなのか、いろいろ原因はありますが、残業は多くて、そしてつらいものですよね。僕もつらいです。みんなの夜中のツイートが心にしみます。これも変えていかないと。スーパー残業野郎のくせに、えらそうなこと言ってますが、アメリカのクリエーティブがしなやかなのは、残業に対するこんなマインドの違いも少しは影響しているのかなあ、とも思ったりします。

ええと、今回は長くなりましたが、簡単に言えば「みんなを置いて飲みに行っちゃって楽しい写真をアップしても、怒っちゃイヤ」ってことですかね…違うか…。スーパー残業野郎のみなさん、そこそこに、一緒に、がんばりましょう。

コリアンタウンで遅めの夜ご飯を食べて、じっと空を見上げる。 エンパイアステートビルが目にしみますね。
コリアンタウンで遅めの夜ご飯を食べて、じっと空を見上げる。 エンパイアステートビルが目にしみますね。

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著者

佐々木 康晴

佐々木 康晴

株式会社 電通グループ 

電通入社後、コピーライターとして数々の広告企画制作を担当し、世界中の野山や海で野生動物の姿を撮影する日々を過ごす。その後コンピュータサイエンスのバックグラウンドを生かし、電通のインタラクティブ・クリエーティブチームの創生メンバーとなる。電通アメリカ(現dentsu Americas)ECD、電通第4CRプランニング局長などを経て現職。クリエイティビティとテクノロジーをかけ合わせた新価値創造を追求する。カンヌライオンズ金賞、D&ADイエローペンシル、CLIOグランプリ等のアワードを多数受賞。2019年カンヌCreative Data 部門審査委員長、2020年D&AD Digital部門審査委員長、2022年カンヌBrand Experience & Activation部門審査委員長、2023年Effie APAC Head of Juryなどを務める。

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